MEGURO+(めぐろプラス) > ひとめぐり「国選定保存技術「刀装(鞘)製作修理」保持者 髙山一之さん」(区報令和6年10月15日号)

更新日:2024年11月21日

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ひとめぐり「国選定保存技術「刀装(鞘)製作修理」保持者 髙山一之さん」(区報令和6年10月15日号)

高山さんの写真

プロフィール

髙山 一之さん

60年以上、鞘(さや)師として活動。鞘の製作、正倉院や大英博物館等の依頼による国宝や重要文化財の修理、個展などを行う。平成30年、目黒区で初めて国の選定保存技術「刀装(鞘)製作修理」保持者に認定された。

限界まで薄く仕上げた鞘をどれだけ美しく創り上げるか。挑戦を楽しんでいます

生きる道を鞘師に決め、父の下で6代目となる

作品の画像
髙山さんの作品

鞘とは刀身を収める筒状の入れ物のこと。その鞘を作る鞘師の6代目、髙山一之さんは、「鞘は木や動物の角・牙、サメ皮(エイの皮も含めた総称)などを用いて作り、刀をさびから守る役目があるんですよ」と話します。

「父は鞘師でしたが、後を継ぐ意思は全然なかったんです。戦後まだ食べていくのが大変な時代だったんでね。ただ、日本刀に興味はあったので、多くの先生の下で、研ぎや漆塗りなどの日本刀に関わる技術は一通り習っていました。仕事も増え始めたタイミングで、どれか一つを徹底的にやろうと決めて父に師事し、鞘師の仕事に就いたんです。現在、東京の鞘師の数は3から4人程度。昔と違って、都会の住宅事情では大きな機械の音を出せないので、なり手がいたとしても、民家同士が離れている地方に行ってしまうんですよ」

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