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更新日:2025年4月24日

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洗足の新しいホットスポット誕生。街路灯×影絵の幻想的な世界へようこそ!

2025年3月、春の訪れとともに、洗足の街には影絵で織り成すきらびやかな光景が広がっています。この記事は、2025年2月に洗足商店街振興組合が実施した街路灯のリニューアルに当たり、プロジェクトの立ち上げから街路灯の制作、完成記念イベントまでを密着した、商店街振興を担当する産業経済・消費生活課の職員によるリポートです。

洗足駅前の街路灯の写真
作品名:「7色のふうせん空を飛ぶ」(新作)

街路灯プロジェクトの立ち上げ

洗足商店街を巡る動きとして、2023年に洗足駅開業100周年を迎えました。また2024年には、目黒区・品川区に加えて大田区まで範囲が広がり、都内初となる「3区にまたがる商店街」になるなど、歩みを止めることなく変革を続けています。そのような中、「街のシンボルとして洗足オリジナルの街路灯を作りたい」、「街路灯によって街や商店街を盛り上げたい」という商店街の強い思いから、老朽化した街路灯46基の建て替えに伴い、洗足にゆかりのある影絵作家・藤城清治さんの影絵が施された中間灯を設置しようと、プロジェクトを立ち上げました。目黒区も商店街の活性化につながるこのプロジェクトを、東京都と連携して支援することとしました。

藤城清治さんの魅力

皆さんは、影絵作家の藤城清治さんをご存じでしょうか。藤城さんは1924年4月17日生まれ、2025年に101歳を迎える世界的にも著名な影絵作家です。1970年代には日本テレビの番組「木馬座アワー」のキャラクター「ケロヨン」を、1980年代には宮沢賢治作の「銀河鉄道の夜」の影絵劇を生み出し、全国各地、海外に広く作品が普及していきました。2013年には、栃木県の那須高原に藤城清治美術館が開館され、影と光の表現が創り出す幻想的で唯一無二の世界観が、たくさんの人の心に響き、感動を呼び起こしています。

筆者は、6年ほど前に美術館を訪れたことがあります。併設されたチャペルには、藤城さんデザインのステンドグラスがあり、その美しい光景にまるで絵本の中にいるかのような感覚になったことを鮮明に覚えています。

ケロヨン
ケロヨンがひょっこり登場しています 作品名:「ロゼッタストーンの神」(新作)

藤城清治美術館のチャペルの写真
筆者が訪れた藤城清治美術館のチャペル

街路灯の制作過程

制作の上でこだわったポイントを洗足商店街振興組合の理事長に伺いました。

いわく、「何と言っても中間灯!」とのこと。当初は円柱ではなく四角柱で制作をすることを想定されていたそうですが、影絵の世界観をなるべく忠実に表現するため 、街路灯の製造や設置を担った賛光電器産業株式会社さんの提案により、現在の円柱の形にたどり着いたそうです。

中間灯の試作品が出来上がった際は、商店街だけでなく藤城さんも含めて感動の渦に!
当初、中間灯のデザインは46基のうち1基を新たに作る予定でしたが、最終的には8基にまで増えました。残りの38基も全て異なるデザインとなっており、デザインの配置含めて藤城さんがアドバイスをくださったそうです。

こうして商店街、藤城さん、賛光電器産業株式会社の3者が一丸となって制作した街路灯がこちらになります。

中間灯の灯にはLEDを使用しています。街路灯が点灯すると、中間灯による光と影のコントラストが、幻想的な世界を生み出します。

新作への思い

今回藤城さんが描き上げた新作8作品は、「アビー」という猫のキャラクターを中心に描かれています。アビーは藤城さんの愛猫で、アビーの愛くるしいさまざまな表情が楽しめる街路灯となりました。また、新作の中で、「生きている喜びをともに」という作品があります。

この言葉は、商店街が街路灯の完成を冠したイベントを実施するに当たり、商店街が掲げるサブテーマの一つにもなりました。そのサブテーマは「生きている喜びをともに ミライにつなぐ 光と影のファンタジー」。「今年101歳になる藤城さんの作品を通して、未来を背負っていく子どもたちに夢と希望を伝えていきたい」といった商店街の願いが込められています。

空飛ぶBMXアビー

アビーとパリオリンピックの競技「BMXフリースタイル」のコラボレーション
作品名:「空飛ぶBMXアビー」

生きている喜びをともに
街路灯完成記念イベントのサブテーマでもある 作品名:「生きている喜びをともに」

街路灯完成記念イベントの様子

出来上がった街路灯のお披露目イベントとして、洗足商店街が2025年3月20日(木曜日)に「洗足街路灯完成記念イベント」を行いました。

イベントの前半はオープニングセレモニーが行われ、藤城清治さんご本人や青木区長、賛光電器産業株式会社の寺本社長をはじめとした来賓の方々が、お披露目の記念となるテープカットを行いました。

テープカットの後は、「ミライにつなぐ」子どもたちが、合唱や和太鼓の演奏を披露しました。

テープカットの様子

イベントの後半では街路灯46種類を巡るクイズラリーや楽しいワークショップなどが開催されました。特にクイズラリーには多くの方々が参加され、美しい影絵の街路灯に夢中になるかたも見受けられました。

ミライの木を飾り付けるワークショップの様子
願い事を書いてミライの木を飾り付けるワークショップ

街路灯やイベントの感想

「わあー!とってもきれい・・・!」 初めて完成した街路灯を見たとき、思わず声を上げてしまいました。街路灯46基の一つ一つを見ていくと、影絵ならではの繊細な表現や、かわいらしくときに愉快なキャラクターたちの表情に魅了され、時間を忘れてしまうほど圧倒されました。

個人的にお気に入りとなった街路灯は、「夕陽の中の愛の奇跡」です。この作品は人魚と猫や鳥、夕陽が描かれていますが、人魚だけが影になることによって、動物たちや夕日といった自然のふんわりとした優しい雰囲気の色彩が引き立っているように思います。

夕日の中の愛の奇跡
作品名:「夕陽の中の愛の奇跡」

 

イベントの中では、藤城清治さんが登壇された際の「洗足の街が、夢や喜びのある楽しい街となるように願っている」という言葉がとても印象に残っています。

商店街が掲げるイベントのサブテーマが、未来の子どもたちへの願いに由来して付けられているように、洗足のこれからの未来をたくさんの方々が願っている、そんな素敵な街であると強く感じました。

影絵とLEDの光が創り出す幻想的で温かい街並みは、唯一無二の絶景です!
皆さんもぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

産業経済・消費生活課:MO

 

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