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更新日:2025年6月24日

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めぐる思いやり 目黒区立図書館「貸出図書 持ち帰り用紙袋」のやさしい仕組み

区立図書館を訪れるたびにやさしく穏やかに迎えてくれるのは本や職員だけではありません。

図書館入り口

今回は、目立たないけれど確かにうれしい「貸出図書持ち帰り用紙袋」の取り組みを紹介します。図書館に関わる人々のちょっとした思いやりが巡るサービスです。

困ったときそこにあった

筆者は目黒区の職員であると同時に、日常的に区立図書館を利用する一区民でもあります。ある日、思いがけず借りたい本が多くなってしまい、どうやって持ち帰ろうかと困っていました。そんな時、ふと目に入ったのがこの「貸出図書 持ち帰り用紙袋」でした。持っていたカバンに入りきらない本を全て納めて、楽々持ち帰ることができたのはこの紙袋のおかげでした。

バックに入りきらない本

紙袋に収まった本

気軽で、ちょっとうれしい

このサービスの良い点は、まさに「ちょっと困った」に応えてくれるところ。例えば、子どもがたくさんの本を借りて家でも読みたいと言った時、または予約した本を受け取りに行った際、意外と多く予約した本が用意されていた時など、予想に反して重く、冊数も多くなってしまった本たち。そんな時に「これ、使ってくださいね」と言わんばかりに置かれている紙袋がとてもありがたくうれしく感じられます。さらに調べると、この紙袋は図書館に関わる人々の思いやりで繋がっていました。

紙袋置き場

以前は…

20年以上前には子ども向けにビニール製の手提げ袋を配布しており、大人の方には同じ手提げ袋が貸出用として提供されていました。しかし、区は予算を少しでも蔵書の充実に充てていくため、手提げ袋の配布は終わってしまいました。貸出用の手提げ袋がなくなっては図書の持ち帰りに利用者が困るだろうと考えた職員の発案で、紙袋を用意するようになったことがこの取り組みの始まりとなりました。さらに、この「ちょっとうれしい」に気が付いた利用者の方が、家にあった紙袋を寄付してくださるようになり、それが区内図書館全館に広がり現在に至っているとのこと。20年以上も前の「ちょっとうれしい」のバトンが今も続いているのです。

引き継がれるやさしさ

一方で気になることも…

ただ全てが理想的に回っているかというと、残念ながらそうではない面もあります。寄付をしていただく紙袋の中にはサイズが大きすぎるものや汚れが目立つものもあり、やむを得ず廃棄せざるを得ないケースもあるとのこと。このちょっとうれしい取り組みをこれからも続けていくためには、使う人は適量を持ち帰り、寄付していただく方は、利用者が快適に使用できるよう清潔で大き過ぎない紙袋を提供いただくというお互いのちょっとした配慮とバランスが必要なのではないかと思います。

6月は環境月間

この仕組みは「再利用」という環境問題の視点からも、とても大切な取り組みです。このような小さなアクションの積み重ねが、資源を無駄にしない社会につながっていくのではないでしょうか。

図書館入り口に置かれた貸出図書持ち帰り用紙袋

 

区立図書館の入り口にそっと置かれた紙袋。本当に小さなことかもしれませんが、そこには積み重ねられた思いやりが詰まっています。今回の記事がそうした心のバトンに気づくきっかけになるようでしたら、筆者としてはとてもうれしく思います。

広報広聴課:みたいち

 

 

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