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「たすけてください」家庭の食品ロスを防ぐ「涙目シール」がめぐろ区報に登場
めぐろ区報10月1日号の裏表紙「おうちでも店舗でも涙目デザインで食品を助けよう!」で、涙目のおむすびとケーキ、食パンのイラストを掲載しました。

これは、ファミリーマートが展開している「涙目シール」のデザイン。消費期限が迫ったおむすびや弁当などを値下販売するとき、キャラクターが「涙目」で「たすけてください」と呼びかけるシールを貼るという、食品ロス削減の取り組みです。
このデザインを、各家庭でも使ってもらおうという企画。切り取って、早めに食べたい食品に貼ったり、先に使ったほうがよい食品を入れた箱の目印にしたりと、食品の使い忘れを防ぐために活用できます。

手つかずで捨ててしまう食品
日本の食品ロスの量は、年間約461万トン(令和6年度推計)。1人あたりに換算すると1年に37キロもの食べものを捨てていることになります。
その約半分は、家庭から出されたもの。食べ残しや、野菜や果物の過剰除去(皮のむきすぎなど)がありますが、最も多いのは、手つかずのまま捨てられる「直接廃棄」で、家庭の食品ロスの約43パーセントを占めています。
もらいもののお菓子、ふと気づいたら消費期限が過ぎてしまっていた。
後から買った牛乳のほうを、古いものより先に家族が開けてしまった。
飲み会が続いて、買っておいた魚のことをすっかり忘れていた。
こうした小さな「うっかり」の積み重ねが、家庭の食品ロスにつながっているのです。
95パーセントが「意識している」のに......
目黒区環境報告書(令和8年度版)によると、区民600人を対象にした調査で「普段の生活で食品ロス削減を意識していますか」と聞いたところ、「とても意識している」「どちらかといえば意識している」と答えた人は合わせて94.8パーセント。
一方で「あなたはこの1カ月間で食品(食材)を捨てたことがありますか」という問いには「たまにあった」「よくあった」の両回答で37.0パーセントとなっています。
目黒区清掃リサイクル課の山岸徹哉課長は、「食品ロス削減が大切だということは分かっているものの、具体的な行動にまでは至っていない人は多いのではないでしょうか」と話します。
「ファミリーマートでなじみのある涙目のデザインを家庭でも活用することで、区民の皆さん一人ひとりの具体的な行動変容につながるのではないかと考えました」

「もったいない」の感情を呼び起こす
ファミリーマートに涙目シールが登場したのは、令和6(2024)年10月。それまでは値下商品に「エコ割」のシールを貼っていましたが、消費者と一緒に食品ロス削減に取り組もうと、一部店舗で実証実験を始めました。

涙目シールを発案したThe Breakthrough Company GO エグゼクティブクリエイティブディレクターの砥川直大さんは、こう話します。
「世の中で値引きが常態化してしまい、本来の“売れ残りをなくすため”という意味が薄れてしまっていると感じていました。同時に、値引き商品は歓迎される一方で、“安いから買っていると思われるのは恥ずかしい”という声もありました」
規格外の果物や野菜だけでつくられたスウェーデンのアップサイクルジュースブランド「Rscued(レスキュード)」をヒントに、「食品を助けるために消費するという文化を生み出せないか」と考えたといいます。
「日本人の“もったいない”の精神や良心が行動につながれば、食品ロス削減の新たなアプローチになるはず」

涙目シールは、たった15ミリほどのイラスト。にもかかわらず、多くの共感を呼び、全国展開後、ファミリーマート全店の食品ロス削減量は年間約2500トンに。さらに、この成果を社会に共有しようと考えたファミリーマートは、令和7(2025)年10月から、「涙目デザイン」のイラストをフリー素材として提供することとしました。
目黒区はこのとき、ファミリーマートと連携し、区内の小売店や区役所内レストランで、全国で初めて涙目デザインの活用を始めました。


食品ロスを生み出さないビジネス
区では、区民・事業者・行政の一体的な食品ロス削減を推進しており、区と協力して食品ロス削減に取り組む117店を「めぐろ食べきり協力店」として登録しています。

涙目デザインを導入している食べきり協力店は現在8店舗。少しずつ広がっていますが、そもそも食品ロスがほぼ発生していないという店舗もあります。その日に売れる分だけ製造したり、お客さんとコミュニケーションをして量を調整したりと、作り過ぎず、売り切るかたちでビジネスが回っているからです。
「お店と生活者の距離が近く、お互いが見えているからだと思います。その意味で涙目シールは、コンビニとお客さまのコミュニケーションを生むツールになったのだと考えています」(砥川さん)
一方、値引をせずに涙目デザインを活用している店舗もあります。「発案者としては理想の形です」と砥川さん。経済的なメリットがなくても「たすけてください」という呼びかけによって買われるということは、食品ロス削減に関して一人ひとりの意識が高まり、行動につながっているといえるからです。
行動で未来を変える
食品ロスを減らすことは、気候変動対策にもつながります。生ごみは重量の約8割が水分のため、燃やしにくく、焼却する際には紙などと比べてより多くの二酸化炭素(CO2)を排出します。
「食べ忘れの小さな“うっかり”をなくすことが、次の世代が暮らす未来を変えるかもしれない。涙目シールによってそんな気づきが広がり、多くの人たちの行動につながることを願っています」(砥川さん)
「食品を捨てずに済むように、食べきるようにしよう、とか、必要なものだけ買うようにしよう、と家族で会話を始めるきっかけになるとうれしいです」(山岸課長)

関連ページ
- 「涙目シール」のフリー素材(外部リンク)
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にしやまあきこ 目黒区で子育て歴20年。大切な人の暮らしを豊かにするために働きたくて、民間公募で令和8年4月に入庁しました。新聞や週刊誌の記者、ウェブメディア編集長の経験から、取材がライフワーク。MEGURO+では、地域の課題を解決するために区の事業に関わってくださるかたたちの熱い想いを伝えます。記事の感想やご意見をお待ちしています。
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