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めぐろ区報令和6年11月15日号編集後記「合理的配慮って何?障害者理解」
大特集「合理的配慮って何?障害者理解」
今号の特集では、合理的配慮の考え方や対応方法などを、4コマ漫画も交えてご紹介しました。
2面でご案内しているとおり、今年4月に障害者差別解消法が改正され、事業者に対して合理的配慮の提供が義務付けられました。これを聞くと事業者ではないかたは、自分には関係のない話題だと思われるかもしれません。しかし、実際には多くのかたに関わる内容となっています。自分には関係がないと思って、読むのをやめてしまったかたがいらっしゃったら、ぜひもう一度、この特集を開いていただけたらと思います。
編集時に、特に時間をかけてこだわったのは、全体の色合いとイラストです。「合理的配慮」や「建設的対話」など、どうしても漢字が多くなってしまう内容だったので、読み手のかたに少しでも親しみやすく感じてもらえるよう、明るい色使いを意識し、写真ではなくイラストをメインに構成しました。表紙のイラストは、さまざまな人が互いを尊重しながら生きられる、共生社会を表しています。1から3面で使用しているイラストは全て、今回の特集のために、イラストレーターさんに描き起こしていただきました。登場する人たちの年齢や性別、動き、様子など、細部にまでこだわって調整しました(周囲の職員からも、「こだわるねぇ」と言われたほど)。そのため完成したイラストを見た時には、とても達成感がありました。
2・3面でご紹介している「合理的配慮」は、相手の状況や求めている対応を聞くという、一歩踏み込んだ行動を起こさなければいけません。これが「建設的対話」です。ここで特に注目していただきたいのは、2面の4コマ漫画の事例Bです。精神障害により人混みに行くことが難しい女性が登場しています。この女性はヘルプマークをバッグに付けてはいますが、障害の特性が見た目からは分かりません。つまりこのかたが必要とする配慮を知るためには、対話がまさに必要不可欠だということです。対話をしてみないことには、自分がどのように動いたらよいかを判断することができません。事業者でない人も、日常生活の中で、事例のような場面に遭遇する可能性は十分にあると私は思います。相手に対して「どんな配慮が必要ですか」と聞くには勇気が必要かもしれません。私自身も、こういった場面で勇気を出して行動できる人間になりたいと改めて思いました。そういう人が社会に増えていって、表紙イラストのような共生社会に今後もっと近づいていけたら、素敵だなと思っています。
広報課:たま子
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