ここから本文です。
めぐろ区報令和7年6月1日号編集後記「めぐろの都市農業」
特集 めぐろの都市農業
今回のめぐろ区報の特集では、目黒区の都市農業についてお届けしました。
この特集を企画しようと考えたのは、ちょうど一年前ほど前に、目黒区内で行われたジャガイモの収穫体験を取材した時のことです。
「目黒に畑があるなんて、初めて知りました!」という、参加者の声を多く聞きました。都会的なイメージのある目黒区に、農地がある事実に驚かれるかたが、まだまだたくさんいらっしゃるのだと感じました。
その時の記事はこちら。
自由が丘で農業体験!初夏のワクワク“じゃがいも掘り”を満喫! 毎年6月に自由が丘で開催される「じゃがいも掘り」。子どもも大人も夢中!になったじゃがいも掘りの模様も併せてご覧ください。 |
そこで今回、「目黒区の農業をもっと多くのかたに知ってもらいたい!」との思いから、この特集を形にしました。
目黒区の農業について調べていくうちに見えてきたのは、都市の中で農業を続けることの難しさです。23区内でも練馬区や世田谷区、江戸川区の農地はよく知られているかと思いますが、目黒区のように都市的なまちの中に農地が残されているのは、実はとても貴重なことです。
そして、その風景が今もあるのは、日々の暮らしの中で農業を続ける農家さんたちの努力があってこそ。農地が「ある」ことだけでなく、「守られている」ことを、今回の取材を通じてぜひお伝えさせていただきたいと思いました。
農家さんへの取材
区内には現在、6つの区内農園・ブドウ園があります。
今回はその中から、織戸農園さんと根岸ぶどう園さんを訪ねました。
織戸農園
織戸農園の織戸勇一さんは、明治から代々続く農園を、今はお一人で守り続けています。もともとは会社員として働かれていたそうですが、50歳の頃、農業に専念。小さい頃から農作業を手伝っていた経験を生かし、一人でも続けていけるよう工夫を重ねながら日々畑に向き合っています。
農園では、ジャガイモ、エダマメ、サツマイモ、ブロッコリー、ネギ、ダイコンなどさまざまな野菜を育て、地域の方々に向けて独自の収穫体験も実施。掲示板などでお知らせしながら、誰でも気軽に畑に触れられる機会を提供しています。
農地と同じ敷地内にあるご自宅前で
根岸ぶどう園
根岸ぶどう園さんは、ご夫婦で農園を営んでいます。根岸さんご夫婦は、5年前、宮崎県からUターンで目黒区へ戻り、ご両親の後を継ぎ、ブドウ園を始められたそうです。
目黒区へ戻る前は、農業に携わる仕事ではなかったそうですが、目黒区で子どもの頃に見たブドウ棚のある風景を、これからも守っていきたい。そんな思いから、「どうすれば続けていけるか」と日々試行錯誤を重ねていらっしゃいます。
お二人とも、全国各地のブドウを食べ歩き、美味しい品種を見つけると「これは目黒の土に合うかな?」と考え、夫の幸司さんが独自で作った機械で、研究を重ねていると教えてくれました。
フィンガーライムを育てる、ビニールハウス内で
こうした農家さんたちの努力と強い想いがあるからこそ、目黒区の農業は今もしっかり生き続けています。
目黒産の野菜や果物は、直売所や品評会での即売、学校給食などを通して味わうことができます。これからの季節は、収穫体験なども予定されています。ぜひ、足を運んで、味わってみてください。
そしてその時には、野菜や果物のその先にある、農家さんの想いや日々の努力にも思いを寄せていただけたら、うれしいです。
紙面デザインを一部リニューアルしました!
今号、令和7年6月1日号から、紙面のデザインを一部リニューアルしました!
特集ページは、より区民の皆さんに“目黒区のこと”を知っていただける企画を立て、親しみをもっていただけるよう、レイアウトやイラスト・写真の使い方に工夫を加えました。
また、「お知らせ」や「イベント」のページも、情報量を適度に整理し、見やすさ・読みやすさを意識して再構成しています。
これからも、皆さんに大切な情報をお届けし、もっと目黒区のことを知り、好きになっていただけるような広報紙を目指し、一層の工夫を重ね・充実を図っていきます。
今後のめぐろ区報もぜひ楽しみにしてください。
広報広聴課:広報課A
お問い合わせ
こちらの記事も読まれています