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更新日:2025年7月17日

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備えが大事! 目黒区西小山エリアが考える防災術とは

令和6年12月8日、東京都目黒区目黒本町の防災協議会、自治会と目黒区木密地域整備課、防災課が「命を守るかんたん防災術」と題して、地域住民を対象とした防災イベントを向原小学校体育館で実施しました。

目黒本町周辺は、目黒区の南部、東急目黒線西小山駅の北側に位置するエリアで、下町らしい風情が残り、どこか懐かしい、落ち着きのある街並みが特徴的です。一方で、このエリアは「木造住宅密集地域」と呼ばれているエリアでもあります。

「木造住宅密集地域」とは小規模な敷地に木造住宅が密集し、震災が起こった場合、「地震火災」や「建物倒壊」による被害が大きくなる可能性が高く、消防や救助活動も難しくなるエリアを指します。この地域特性から、目黒本町周辺住民の防災意識は高く、町会を中心に防災イベントや訓練を実施しています。

今回のイベントでは、”かーびー”こと星野諭さんによる防災サバイバル術の実演型レクチャーや消防団の取り組み、町会の防災活動に触れました。

災害から身を守る防災サバイバル術とは

かーびーさん

講師:かーびー(星野諭さん)


つむぎやさん(https://www.tumugiyasan.com/)代表

移動式あそび場全国ネットワーク(https://mpn-japan.com/)代表

遊び道具を詰め込んだプレイカーで全国を走る子ども防災活動家。

目黒区木密地域での防災学習に10年以上支援をいただいています。

東日本大震災発生から10年間にわたり被災地支援を続け、石巻と福島を中心に150回もの移動式遊び場を提供してきた星野さん。能登半島地震の被災地支援にも尽力されています。「そもそも”防災”とは災害を防ぐのではなくて、災害から身を守る」、「まず自分の身を守らないと、人を守ることもできない」と訴えます。

洋服を使ったおんぶ術やアルミホイル、ペットボトルなどを使用した体温維持の方法、非常用食器(皿)の作り方、災害用トイレの使い方など実演を交え「衣」「食」「住」「救」それぞれの分野の防災術を伝えてくださいました。

洋服おんぶ

チラシトレイ2
チラシトレイ

日頃、私たちはインターネットなどを通じてさまざまな防災関連情報を目にします。それらの中には「誤った知識」が含まれていたり、読んだ私たちの「思い込み」によって被害を拡大させてしまう可能性もあります。イベントに参加した皆さんは、星野さんの防災知識や被災地での体験談から正しい知識を学ぶことで、自分の身を災害から守り、周りの人を守れる人になっていくのだろうと思います。

身近な防災の要「消防団」

目黒本町エリアを主に管轄する目黒消防団第8分団の活動紹介もありました。

目黒消防団第8分団Instagram

そもそも「消防団」とは...日ごろから地域の防火・防災、地域住民の安全・安心を確保するためにさまざまな職業や年齢層のかたが、消防署と連携し活動しています。それぞれの職業に就きながら、「自らの地域は自らが守る」という精神に基づき、災害発生時や訓練時に出動して活動する特別職の非常勤公務員という立場です。

中でもエンジン付きの燃料を要する資機材は定期的に点検が必要ということで、チェーンソーのデモンストレーションを実施しました。

総務省消防庁ホームページ「消防団とは」

東京都防災ホームページ「消防団」

デモンストレーション

消防団には自営業や会社員、学生や主婦など、区内在住・在勤・在学のかたで、18歳以上の健康なかたであればどなたでも入団できます。また、区内の多くの消防団では、男性に限らず女性も多く在籍し、活躍をされています。

目黒消防団員・災害時ボランティアを募集しています

非常時こそ、ご近所さんが命綱

地域住民の防災意識を高める上で、町会(自治会)は重要な役割を果たしています。消防や救急が到着するまでの間、住民同士が助け合うことができる基盤として、町会は地域コミュニティの中心となります。町会は防災にとどまらず、防犯や祭りなどの地域交流イベントを通じて、行政と住民をつなぐハブとしての機能を持っています。

木密住宅密集地域の町会も、住民同士の協力を促進し、安全で安心な地域づくりを目指すため、お祭りや環境美化活動のほか定期的に防災訓練を実施するなど、さまざまな取り組みを行っています。令和6年度に実施した防災訓練は近隣の7町会が合同で開催し、煙体験や起震車、初期消火に関する実践的なスキルを学ぶ機会を提供しました。約200名もの住民の皆さんが参加されたそうです。

引っ越してきたばかりのかたはもちろん、長く住んでいるかたも自分がどの町会エリアに属するかわからない人も少なくないと思います。まずは、ご自身の町会を知るアクションから初めてみませんか?

住所から町会・自治会をさがす

避難所は「誰かがやる」では守れない

災害が起きたとき、多くの人が避難する「避難所」。
避難所は、”みんなで支える場所”です。食事の配布、要配慮者の支援、トイレや清掃、情報整理など、多くの役割を分担し合う必要があります。

今回、会場が体育館ということもあり、避難所で使用される「屋内用テント」と「段ボールベッド」の組み立て体験が行われました。

屋内テントをくみたてている様子

段ボールベッドを組み立てている様子

組み立て作業そのものはさほど難しいことではないですが、支柱を持つ人、シートを被せる人、それぞれが協力しないとテント1つ組み立てることができません。「自分にもできることがあるかもしれない」という気持ちが、避難所を機能させ、地域全体の安心につながっていくのだということを実感しました。

目黒区内の避難所を知ろう

西小山エリアは災害に強く、賑わいや潤いのある街を目指して、今回ご紹介した防災訓練だけでなく、新しい公園の整備や防災マップの作成、商店街の無電柱化など、地域住民が主体となって街づくりを進めています。次回は、さらに地域の力が光る取り組みを紹介していきます。

広報広聴課:ヤシノソ

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