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更新日:2025年8月19日

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元気なお店、活気ある事業所をご紹介します「有限会社roomoon(ルムーン)」

就労に困難を抱える人々の受け皿になりたい

目黒区でも、就労に困難を抱える人が必要なサポートを受け、他の従業員とともに働く社会的企業であるソーシャルファーム事業者の動きが活発化しています。東急東横線・中目黒駅から徒歩4分の目黒川沿いにある有限会社roomoon(ルムーン)もその一つ。「アート×福祉」をコンセプトに、アートで福祉の新しい扉を開くことを目指しています。具体的な事業内容は、ボタニーペインティング(植物を使ったアート)を生かしたご朱印帳などの制作・商品販売。そのほかボタニーペインティングやフラワーアレンジメントのレッスンなどを行っています。

「現在、メインで取り扱っているのは葉っぱを使ったアート。ご朱印帳は蓮の葉を板に貼りつけて手作りした蛇腹式のもので、神社仏閣のお参りでスタンプラリー的にも使えると、海外の方からも好評です。当社の目的としては、社会で働く中で配慮が必要な、就労に困難を抱える人が無理なく働ける環境を作りだすこと。いわゆる、引きこもりなどの社会的な受け皿になることができればと考えています」と話すのは、roomoonの代表を務める鈴江留美子さん。

roomoonの代表 鈴江さんの写真
roomoon代表の鈴江 留美子さん

ソーシャルファーム事業(roomoon Labo)の立ち上げは2024年6月。その前に鈴江さんが東京・青山にある花屋で働いていたことが、事業所設立のきっかけとなりました。

「そのお花屋さんは、東京都認証ソーシャルファーム事業者でした。そこで3年ほど働き、就労に困難を抱える人たちには、こういう悩みがあるのだなと体感しました。そこで、私の地元である目黒には、まだソーシャルファームがないのでやってみたら? というアドバイスを受け、東京都に認証ソーシャルファーム事業者の申請を出し、事業化したカタチです。まずは、就労に困難を抱える人を雇用するに当たり、どういう仕事が必要か、どういう配慮をしたらスムーズに作業を進められるか、ということを考えました」

実は自身も、障害のある子どもを育てる母親である鈴江さん

「まだ子どもは小学生ですが、就学期間は思ったよりもあっという間で、社会に出て働くというタイミングがすぐに目の前に迫ってきます。現在、学校では国籍や人種、言語、性差、経済状況、宗教、障害のあるなしにかかわらず、すべての子どもが共に学び合う「インクルーシブ教育」を採り入れているところもありますが、就労になると分けられてしまうのが現実。ソーシャルファームという環境が、もっとたくさんできれば、わが子も含め、就労に困難を抱える人たちの将来に、より選択肢が広がると思ったのです」

最適な環境がないのであれば、自分で創りだせばいいという考え方です。

「創業から1年やってきて、いろいろなことにトライしましたが、まだまだ整えなければいけないこともありますし、安定しているとは言えません。ただ、障害のある子どもを持つ家族や福祉事業のネットワーク、1年間で築いてきた繋がりには手ごたえを感じています。今後もその繋がりをより強化、発展させていきたいと考えています」

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