更新日:2025年8月18日

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元気なお店、活気ある事業所をご紹介します「有限会社roomoon(ルムーン)」

企業情報

所在地

東京都目黒区中目黒一丁目8番12号 3A

代表

鈴江 留美子

問い合わせ

電話:03-3711-3356

創業

2004年4月

ソーシャルファーム事業所開業

2024年6月

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就労に困難を抱える人々の受け皿になりたい

目黒区でも、就労に困難を抱える人が必要なサポートを受け、他の従業員とともに働く社会的企業であるソーシャルファーム事業者の動きが活発化しています。東急東横線・中目黒駅から徒歩4分の目黒川沿いにある有限会社roomoon(ルムーン)もその一つ。「アート×福祉」をコンセプトに、アートで福祉の新しい扉を開くことを目指しています。具体的な事業内容は、ボタニーペインティング(植物を使ったアート)を生かしたご朱印帳などの制作・商品販売。そのほかボタニーペインティングやフラワーアレンジメントのレッスンなどを行っています。

「現在、メインで取り扱っているのは葉っぱを使ったアート。ご朱印帳は蓮の葉を板に貼りつけて手作りした蛇腹式のもので、神社仏閣のお参りでスタンプラリー的にも使えると、海外の方からも好評です。当社の目的としては、社会で働く中で配慮が必要な、就労に困難を抱える人が無理なく働ける環境を作りだすこと。いわゆる、引きこもりなどの社会的な受け皿になることができればと考えています」と話すのは、roomoonの代表を務める鈴江留美子さん。

 

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蓮の葉によるボタニーペインティングアート

ソーシャルファーム事業(roomoon Labo)の立ち上げは2024年6月。その前に鈴江さんが東京・青山にある花屋で働いていたことが、事業所設立のきっかけとなりました。

「そのお花屋さんは、東京都認証ソーシャルファーム事業者でした。そこで3年ほど働き、就労に困難を抱える人たちには、こういう悩みがあるのだなと体感しました。そこで、私の地元である目黒には、まだソーシャルファームがないのでやってみたら? というアドバイスを受け、東京都に認証ソーシャルファーム事業者の申請を出し、事業化したカタチです。まずは、就労に困難を抱える人を雇用するに当たり、どういう仕事が必要か、どういう配慮をしたらスムーズに作業を進められるか、ということを考えました」

実は自身も、障害のある子どもを育てる母親である鈴江さん

「まだ子どもは小学生ですが、就学期間は思ったよりもあっという間で、社会に出て働くというタイミングがすぐに目の前に迫ってきます。現在、学校では国籍や人種、言語、性差、経済状況、宗教、障害のあるなしにかかわらず、すべての子どもが共に学び合う「インクルーシブ教育」を採り入れているところもありますが、就労になると分けられてしまうのが現実。ソーシャルファームという環境が、もっとたくさんできれば、わが子も含め、就労に困難を抱える人たちの将来に、より選択肢が広がると思ったのです」

最適な環境がないのであれば、自分で創りだせばいいという考え方です。

「創業から1年やってきて、いろいろなことにトライしましたが、まだまだ整えなければいけないこともありますし、安定しているとは言えません。ただ、障害のある子どもを持つ家族や福祉事業のネットワーク、1年間で築いてきた繋がりには手ごたえを感じています。今後もその繋がりをより強化、発展させていきたいと考えています」

想いを持って自分が動けば人が集まってくる

もともと、フラワーアレンジメントの専門家だったという鈴江さん。レッスン講師も務めていた経験を活かして、roomoonでもスクール事業を展開しています。

「物販だけではどうしても限界があるので、事業として安定した収入を得るためのアートスクールですが、子どもや障害のある方が余暇を楽しむ趣味として提案できると考えています。不器用だからどうしよう、ということもありません。ボタニーペインティングは色を選ぶ楽しさや、彩色する感動、心の安らぎなど、子どもからお年寄りまで気軽に楽しめると考えています」

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アートスクールの様子

蓮の葉アートを選んだのにも理由があります。

「私自身が蓮を使ったボタニ―ペインティングを知って感銘を受けました。キャンバスに絵を描くのって難しいじゃないですか。蓮には葉脈もあるので、それを生かしてただ単にうまい下手ではない、気軽で身近なアートとして採り入れられると思いました。実家の池に蓮が茂っていて、私自身にも縁のある植物ですし。アートワークでは感覚が大事で、没頭することでストレス発散にもなります。描かなければならない、あるいは作らなければならないアートではなく、あくまで遊びながら楽しんで作りあげるアートです。今後は廃棄される花や植物の再利用を生かしたアートにも取り組んでいく計画もあります。自然とも共生できたらいいですよね」

アートを利用してソーシャルファームを立ち上げた背景にあるのが、本当の意味での共生社会への想いです。

「今の日本の社会ではどうしても、分ける、という構造を感じてしまいます。障害のある子どもや、就労に困難を抱える人がいるのは当たり前。それを分けるのではなく、一緒にいることが大事ではないかと思いますし、そんな共生社会になっていって欲しいなと願っています」

社名のroomoonはルーム(空間)とムーン(月)に由来しています。

「以前、フラワーアレンジメントや空間デザインの仕事をしていたときに考えたものですが、月は見え方が毎日変わっていくものですよね。そういう変化を自分でつくっていきたいと考えているのと同時に、季節感のある空間をつくりたいというイメージから。蓮は幸運を呼びこむ植物と言われていますし、風水的にも良いです。キレイに整っているというよりは、個性があることが特長なので、そこを生かしていけたらと思います。物販のメインであるご朱印帳は、天然の蓮の葉を貼りつけたものをひとつ一つ丁寧に手作りしたこだわりのアイテムです。スタッフみんなでつくりあげた商品を日本全国にお届けしたいですし、roomoonのご朱印帳が海外の方に日本の伝統を伝えるきっかけになればとも考えています」

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ご朱印帳

ソーシャルファームとして事業を始めてみて感じたこともあると言います。

「想いを持って自分が動くと、同じ想い持った人が集まるということですね。この仕事を通じていろんな方と繋がっていきたいと思いますし、その繋がりをより広めていければ、最終的に子どもたちのためになるのではないかと考えています」

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店内
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取扱商品(ご朱印帳、小物など)
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団扇

お問い合わせ

産業経済・消費生活課 中小企業振興係

ファクス:03-3711-1132