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更新日:2025年9月1日

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地震の後、約4割が3時間以内にトイレに行きたくなった だから「災害時のトイレ」に備える 出典 平成28年熊本地震「避難生活におけるトイレに関するアンケート」 調査 大正大学人間学部環境学科 岡山朋子 協力 NPO法人日本トイレ研究会

特集

"地震の後、約4割が3時間以内にトイレに行きたくなった” だから「災害時のトイレ」に備える

災害時にまず困るのはトイレかも。
「うちは災害に備えて、水や食料を準備しているから大丈夫」と安心していませんか。災害時に水や食べ物は多少我慢できても、トイレを我慢することは難しい。実は、一番困るのはトイレなんです。
8月30日から9月5日は防災週間。この機会にトイレの防災について考えてみましょう。

お問い合わせ:防災課(電話:03-5723-8700、ファクス:03-5723-8725)

突然の大地震が起きたとき、水も電気も止まった。家族が大丈夫なことを確認したあと、トイレでお風呂の水を使って流そうとしたら配管が詰まって流せない状況を示したマンガ。トイレは使えない、でも排せつは止められない。困らないために、トイレの備えを!

INTERVIEW 専門家が語る!

命にかかわることだから、家庭でのトイレの備えが大切

地震や台風などで停電や断水が起こった時のための備えとして、必要なものは?

この質問には、きっと多くのかたが「食料」や「水」と答えるのではないでしょうか。ですが、それに加えてもう一つ、ないと生活が成り立たないものがあります。それがトイレです。普段使っている水洗トイレは、電気が通っていないと動かない可能性があります。また、断水が起きると給水や排水ができなくなるので、トイレを流すことができなくなるんです。

トイレが使えなくなると怖いのが感染症リスク

一人暮らしを除けば、基本的にトイレは他人とシェアしますよね。トイレが流せず不衛生になると、病原菌やウイルスがまん延しやすくなり、トイレを使った人たちが菌に感染してしまうというわけです。また、トイレが使えないことで災害関連死につながる可能性も。平常時でも、公衆トイレが汚いと、使うのをためらいませんか。災害時も同じことを感じる人が多くいます。「使いたくない」という気持ちから、水を飲むのを控えてしまう。それが引き金となり、脱水やエコノミークラス症候群になってしまうんです。このように、トイレが汚い・使えないことで、最悪の場合命を落とすことにもなりかねません。

自宅が無事で、水も食料もあるのに、トイレが使えないことで家にいられなくなるかも

そうならないためにも、備えの中に「トイレ」も追加し、普段から心構えをしておくことが大切です。各ご家庭で災害時のトイレについて話し合い、安心できる環境を整えておいてください。「携帯トイレ」の備蓄も有効です。いざという時に焦らず使用できるよう、平常時の今、試しに使用しておきましょう。

NPO法人日本トイレ研究所代表理事
加藤篤 氏

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より詳しいインタビューをご覧になれます

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災害時のトイレ問題

トイレが逆流するかも

災害により下水管や排水管などが破損する場合があります。その状態でトイレに水を流すと、汚れた水や汚物が下水道まで届かず、建物内に逆流してしまうかもしれません。震災直後はトイレに水を流さないようにしましょう。

安心できるとは限らない避難所のトイレ

不特定多数の人が使用する避難所のトイレは、多くの人が使用することで不衛生な状態を招くなど、衛生面で課題が生じやすくなります。また、多くは施設の外に設置されるため、雨天時などの悪天候では使いにくい場合があります。

トイレの我慢で病気に

身近に安心できるトイレがない場合、水分摂取を我慢する人も。しかし、その行動は脱水症状や免疫力の低下を招く可能性があります。体調を崩し、病気につながるリスクもあるので、行きたい時に安心して行けるトイレの環境づくりが大切です。

さらに潜む危険 集合住宅は要注意!

マンションやアパートなどの排水管は他の部屋とつながっているため、破損すると下層階のトイレや配管から汚水があふれ出る可能性があります。震災直後は、トイレに水を流さないことが重要です。

対策1 知っておきたい 災害時の3ステップ

地震発生から3時間以内に約4割が、さらに6時間以内では約7割がトイレに行きたくなったという調査結果があります。しかし、いきなり自宅のトイレを使おうとしても流せないかもしれません。いざという時にパニックにならず冷静に対処できるよう、次の3つのステップを覚えておきましょう。

STEP1 トイレの安全確認

トイレがある部屋や便器に破損などがないか、確認しましょう。

STEP2 携帯トイレを使う

自宅のトイレが一番安心。便器が使用可能であれば、携帯トイレが使えます。

STEP3 使用後は清潔に

感染症予防のため、トイレの後は手洗いと手指消毒をしっかり行いましょう。

対策2 始めよう 携帯トイレの備蓄

便器に袋をかぶせて用を足し、凝固剤や吸水シートで処理する携帯トイレは、災害時でも清潔な衛生環境を保ちながら使えます。在宅避難を想定し、1週間程度過ごせる個数を備えておくと安心です。1日で1人平均5回から7回程度、トイレを使用すると言われています。平常時に、一度携帯トイレを使ってみることをおすすめします。

備えておく携帯トイレの量

例えば、3人家族の1週間分は「7回×3人×7日分=147個」と計算

1人1日約5回から7回×家族の人数分×7日分(目標)

区公式YouTubeチャンネル「めぐろTV」で、携帯トイレの使い方などトイレの防災について動画を配信しています。

トイレの防災について動画を見る

目黒区内で震度6強 その時トイレは?という動画の紹介画像

あわせて備えたいトイレグッズ

ランタン型ライト

停電時でも両手を使うことが可能。

ウェットティッシュ

断水で水が使えない時でも手指を清潔に。

厚手のごみ袋

使用済みのトイレの保管用に。

TRY! 今号を読んだら今すぐ実行しよう

  1. 家族や友人と「トイレに関して何があれば安心か」を話し合おう!
  2. 実際に携帯トイレを使ってみよう!
    (注釈)使用した携帯トイレは燃やすごみへ

その他の区の防災の取り組みの詳細を見る

区の取り組み

トイレトラックの導入

トイレトラックとは、車両とトイレが一体化した自走式の仮設トイレのこと。令和7年度中に導入するトラックのラッピングデザインを、区民の皆さんの投票で決定します。(9月1日から受け付け)

ラッピングデザイン投票の詳細を見る

防災用品のあっせん

区ウェブサイトで、携帯トイレや備品がそろったトイレセットなどの防災用品を購入できます。日頃から地震などの発生に備えて、準備しておきましょう。

防災用品のあっせんの詳細を見る

めぐろ区報一覧を見る

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