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更新日:2024年7月15日

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日常生活に潜む人権侵害(めぐろ区報 令和6年6月15日号(第5面)に掲載)

日常での、ちょっとした侮辱

マイクロアグレッションという言葉を聞いたことがありますか。「自覚なき差別」「小さな攻撃性」などと訳され、何げない一言で他人を見下す行為を指します。例えば、外出中の女性に、「今日は、お子さんを誰が見ているの」と尋ねたことはありませんか。その背景には、男性は働き、女性は家庭を守るという固定観念が潜んでいるかもしれません。「女性でも社長なんてすごい」「外国人なのに日本語が流ちょう」なども、性別や出身地の属性に基づく特性を暗に決めつけ、相手を軽んじています。肝心なのは、悪意があるかどうかではなく、受け手が不快と感じるかどうかです。

受け手がモヤモヤを感じているかも

社会の多数派は無意識に発しており、すぐには否定的な意味に気付きません。しかし、日常で頻繁に繰り返されると、あからさまな差別よりも、心身に深い傷を残すと考えられています。被害を受けやすいのは、女性や性的マイノリティー、外国人などの少数者です。「あなたの属性を気にしていない」と慰めたつもりの言葉も、相手が過去に感じてきた侮辱を無視する行為と受け取られれば、二次的な被害を生むことがあります。

どんな人にも潜在的な偏見がある

自分は平等で善意に満ち、差別など決してしない人間だと信じている人ほど、自分が加害者になっていることに無自覚な傾向があるといわれています。大切なのは、差別する側とされる側、誰もが、どちら側にもなる可能性を秘めていると認識することです。互いに尊重し合う社会を作るためには、多様な人々で成り立つ現代社会と向き合うことが大切です。自分の偏見によって失言をしたかもしれないと気付いたら、それを改善の機会と捉え、すぐに謝罪できるような信頼関係を築き上げましょう。かつて人権擁護委員として、多くの人から相談を受けてきた辰巳ヒロミさんは、「モヤモヤに気付いたら、一人で悩まずに相談してみてほしい」と、呼びかけています。自分自身が、何かしら無意識の偏見を持っている可能性に目覚めることから、まず始めてみませんか。

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