更新日:2026年4月16日

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元気なお店、活気ある事業所をご紹介します「BAGELBASE」

企業情報

所在地

東京都目黒区緑が丘二丁目15番17号

代表

樺島 朋子

問い合わせ

電話:03-6421-4162

創業

2022年

 

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「NYの日常」を自由が丘に。金融業界から転身した経営者が貫く、一点突破の「専門性」と「地域密着」

東急線・自由が丘駅から徒歩6分。白を基調としたミニマルな外観の「BAGELBASE」には、今日も本場の味を求める人々が列を作っています。代表の樺島朋子氏は、金融業界で32年のキャリアを積んだ後、なぜベーグルの世界へと飛び込んだのか。そこには、セカンドキャリアに対する冷静な戦略と、食を通じたコミュニティ再生への深い想いがありました。

「幕引きは自分で決める」―32年のキャリアを経て選んだ、起業という道

—— 2022年12月のオープンから、まもなく4年目を迎えられます。飲食業界の厳しさが語られる中で、着実にファンを増やされていますね。

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樺島 朋子氏

樺島朋子氏(以下、樺島):
飲食店の50パーセントが3年で廃業すると言われるなかで、こうして続けてこられたのは、本当に有り難いことだと感じています。
私は以前、金融業界に32年間身を置いていました。そこでの仕事も充実していましたが、常に意識していたのは「定年」という区切りです。今まで築いてきたキャリアを、自分以外の誰かに幕引きされたくない。55歳という節目を前に、自分の力で新しい地図を描いてみたいと考えたのが、すべての始まりでした。

—— 準備期間に3年をかけ、「実践めぐろ創業塾」での学びや補助金の取得など、非常に手堅く準備を進められたと伺いました。

樺島:
ええ。場所選びから経営計画まで、一歩ずつ積み上げました。特に目黒区のサポート制度には助けられましたね。最初からすべてが順調だったわけではありませんが、担当者の方のアドバイスを糧に、粘り強く挑戦し続けました。

「パン」ではなく「ベーグル」という戦略的選択

—— 多くの選択肢がある中で、なぜ「ベーグル専門店」だったのでしょうか。

樺島:
今のパンブームの中で大手に勝つには、多品目展開ではなく「専門性」で勝負すべきだと考えました。ベーグルは嗜好性が高く、パンというカテゴリーに属しながらも、ユーザーからは「別物」として認識されている。この独自の立ち位置にビジネスとしての面白さを感じたのです。
また、NYの多様なカルチャーを連想させるフードとして、世代を超えて親しまれるポテンシャルがあると考えました。

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工房内

—— 製法や材料へのこだわりも、驚くほど徹底されていますね。

樺島:
コンセプトは「NYの日常」を忠実に再現することです。自分たちの解釈を入れず、本場の味をそのまま届ける。そのためにNY現地の小麦粉を成分分析し、最適なものを製粉会社から直接買い付けています。バターや卵を使わない伝統的な配合、そして低温熟成を経て一度茹でてから焼くという手間。この「変わらないために、手をかけ続ける」姿勢こそが、私たちの根幹です。

匂いが呼び覚ます記憶。コミュニティの「拠点」としての役割

—— 店名の「BASE」には、どのような想いが込められているのですか。

樺島:
かつて家族が中目黒で店を営んでいた際、私も週末に店頭に立っていました。そこではベーグル一つを介して、小麦の出来から世界経済の話まで、まるで井戸端会議のように会話が広がっていたんです。
その経験から、ここは単なる小売店ではなく、地域に根ざした「拠点(BASE)」でありたいと願うようになりました。かつての常連様が「匂いであの店だと分かった」と訪ねてきてくださったときは、自分たちが守ってきた味が、誰かの記憶の一部になっていたのだと胸が熱くなりましたね。

—— 地域貢献や、今後の展望についてもお聞かせください。

樺島:
自由が丘は学習塾も多く、お子様連れのご家族も多い街です。だからこそ、自分の子どもにも安心して食べさせられる「安全な食」を届けたい。忙しく働く方のサポートや、子どもたちの軽食。あらゆる世代にとって心地よい居場所でありたいと考えています。
世の中のスピードは速いですが、私たちは無理をせず、けれど柔軟に。この場所から、新しい繋がりを育んでいければと思っています。


金融のプロフェッショナルとしての冷静な分析力と、職人としての温かな手触り。樺島氏の話からは、その両輪が「BAGELBASE」を支えていることが伝わってきました。効率化が叫ばれる時代に、あえて手間をかけ、対話を重んじる。その実直な姿勢こそが、本場の味を自由が丘の街に馴染ませるスパイスとなっているのでしょう。

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手作りのベーグル

お問い合わせ

産業経済・消費生活課 中小企業振興係

ファクス:03-3711-1132