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元気なお店、活気ある事業所をご紹介します「加藤園芸刃物」
企業情報
所在地
東京都目黒区祐天寺二丁目7番12号
代表
加藤 浩之
問い合わせ
電話:03-3712-1666
設立
1901年(明治34年)
外観
鍛冶屋からスタートし芝刈機・発電機の販売修理店へ
東急線・祐天寺駅から徒歩約10分の加藤園芸刃物は芝刈機・発電機の販売・修理を行っている会社。国内外の優れたメーカーの製品を取り扱い、メンテナンスサービスを展開しています。
芝刈機も刃物のひとつですが、実は同社の前身は明治時代創業の鍛冶屋。
「私の曽祖父が当時のこの辺り、祐天寺村には竹林がたくさんあって、火が上にのぼることから鍛冶屋をやるのにちょうどいいということで、内刃物製造販売業、いわゆる鍛冶屋をはじめたのがきっかけ。主に鎌、鋤などの農機具をつくっていたと聞いています。当時はこの辺りに鍛冶屋が60件ほどあったようですが、いま残っているのはウチだけですね」と同社の4代目代表を務める加藤浩之さんは話します。

代表の加藤 浩之氏
戦後の1953年に園芸用機械器具の製造販売修理をスタート。国内の主要メーカーの特約店となり、1992年に現在の場所へ移転。地下を含む店舗、工場、倉庫の3階建てのビルを建設し、今日まで営業を展開しています。
「むかしは地下で刃物をつくっていましたが、現在は家具業者にその場所を貸しており、鍛冶屋としての業務は行っていません。いい刃物は長く使えるため、新しい刃物のニーズが低いのです。我々は造園や庭仕事などに使う機械を売って修理する業務に方向転換をして、そちらがメインになりました」
時代のニーズに合わせて徐々に営業内容を絞り込み、芝刈り機や発電機中心の現在の業務へと変化してきたというわけです。
「芝刈機や発電機の分野でも最近では脱炭素の傾向があり、蓄電池式の発電機の人気が高まっていますね。静音で公園でも大きな音がせずに作業ができるというものです。ただ、その一方で、従来のガソリンを使った芝刈機、発電機の修理の依頼がたくさん届きます。なぜなら、いまは修理ができるところが少ないから。とくに発電機はガソリンを入れっぱなしで保管していくと、内部のガソリンが腐って動かなくなるのです。そういう状態になった個体は古いガソリンを抜いてキャブレーターなどを修理します。どこでも修理できるモノではありませんからね」



蓄電池式の発電機が普及する一方で、ガソリンタイプの発電機に根強い人気があるのには理由があります。
「蓄電池式の発電記は充電していないと使えません。ソーラーパネルがついているものもありますが、天気が悪いと使えませんしね。その点で、非常時も含めてもっとも実用的なのはカセットボンベかもしれません。ただ、使用時間が短いというデメリットがあります。いまだに工事現場ではガソリン式の発電機が多く使われていますが、それはシンプルに安定して長時間、パワーが出るからです」
完全な脱炭素へと切り替わるには現場レベルではまだまだ課題があるようです。
自分自身は一芸には秀でていないからこそ固執はしない


その一方で、伝統的な鍛冶屋ならではの技術を活かしてつくった刃物も在庫限りとはなりますが、現在も販売を継続しています。
「平成の最初のころに3代目の父が「祐国」という鍛冶屋の技術をいかして日本刀や包丁などの刃物をつくりました。父はモノづくりの天才だったのですよ。私自身も、かつては職人になろうと思っていました。ただ、’70年代のオイルショックで刃物の売上が大幅に落ちたことにより、芝刈機に切り替えたわけです」
伝統的に培ってきたものをやめるのには大きな英断が必要だったのでは?
「いやいや、天才の息子ではあるけれど、私自身は一芸には秀でていないから、その分固執しない。いまの業務にしても、メンテナンス作業に関しては非常に手間と時間のかかる仕事なので、次代に残すほど美味しい商売とは言えないかもしれません。そもそも、都市部では次々とマンションへと建て替えられるから芝がどんどん減っていますしね」

そう言いつつも、現在の仕事に対する確固たる信念があるようです。
「震災のときは儲けを考えずに発電機を売りました。その一方で、ネットで倍の金額で売っているところもあって、やるせない気持ちになりましたが、長くこの仕事をやっているとそういうことはできないのです。そういう考えで商売をやっているので、ウチ以外で買った機械のメンテナンスも引き受けているわけです。できる限りはこの会社を続けていきますが、正直ムリに次代に残すことは考えていません。長年やっているなかで、ウチで育って巣立っていった人たちがいるから、後のことはその人たちに任せればいい。今後がどうなっていくのかは神様しかわからないでしょうね」
スムーズな業態変換を果たしてきたと同じく、会社の未来についても柔軟な考えを持っているようです。
「これまでこの商売を続けてこられたのは、人に後ろ指をさされるようなことはやらずに、ひたすら誠実に向き合ってきたから。使うと便利なモノを売る仕事なので、「アンタのところで買ってよかった」と言われるのがとてもうれしいですし、そこはこの仕事をしていてよかったなと思えること。あまり儲かりはしないけれど、胸を張って生きていけますね」

人生の大先輩から生き方のヒントをいただいたような気になりました。



お問い合わせ
産業経済・消費生活課 中小企業振興係
電話:03-3711-1134
ファクス:03-3711-1132